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 不思議な声の物語 by R

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#1ムスタング12

「ねぇママ。…マ…マ…?どうしたの?」

「アイリーン。よく観ておいてね。そしてこの空気をカラダ全体で感じて、覚えていてね。将来、必ずあなたの為になるから。」

「う…うん。はい、ハンカチ。」

「ありがとう。でも、今はいらないわ。」



な〜んて歓声だよ〜。ショーンのギター一発で、こんだけの大人達が一つになっちまった。

夏木さんが涙するのも分かる気がするよ。…にしても、少し感動し過ぎな気がするのは気のせい?



「不思議ね。歌の力は知ってるつもりだったけど、まさかインストでこんなに感動するなんて…。」

「あのね、ショーンはね、歌もじょうずなんだよ。」

「え?そうなの…?」

「うん。でもね、2年生のとき、学校で歌ったら、みんなにからかわれて…、それで歌うのやめちゃったんだぁ。」

「どういうこと?」

「えとね…。ずっと名前が外人みたいだって、からかわれてたでしょ。あんまりにも歌が上手くって、ていうか、声がね…すっごく良かったの。」

「上手かったのに、からかわれてたの?」

「うん。『やっぱり外人は歌が上手いよな〜!』ってね。でも、それ言った子って、めっちゃ感動してたんだよ!それなのに…。」

「ふ〜ん。ジェラシーってやつね。やっぱり血は争えないってことかしら。」

「え?ママ、なにそれ?」

「ん?あ、なんでもない。…さ、アイリーン、明日からもっと歌とダンス勉強しなくっちゃね!」

「はい!」



いや〜、いい親子関係だこと。将来のアイドル間違い無しってヤツですな〜。

ん?そ言えば、な〜んか気になること言ってた気がするんだけど。

あ〜、たしかオレのストリートライブ観てたって言ってたもんな〜。…ん〜、そんなんで『血は争えない』なんて言うか普通。

ま、いいか。とにかくショーンよ!このまま真っすぐ育っていってくれよ!



「おっつっかっれ〜〜〜〜〜!!!」

「うん!ママ!本気で楽しかったよ!ジージのとこ行って良かったね!!」

「へんっ!アタシの目に狂いはないさ〜!!ホ〜ホホホ!!!」

「あ、酔ってる、トホホ」


「ヘイ、ボ〜イ!どうしちまったんだい!いきなりそんなすっげ〜ギター弾き倒しやがって!ハッハッハ!」

「ジェイク!いっつもありがとうね!みんながいるから、ぼく、がんばれるよ!」

ギュ〜〜〜〜!

「や、やめて〜〜〜、く、くるち〜〜〜。」

「ハハハッ!こ〜んなチビ助が、あ〜んなすっげぇの弾くとわな〜。」

「ジェ、ジェイク。鼻水が〜。」

「よし!今日はこのまま朝までパ〜リ〜だぜ!」



あらあら。さすがの琉球空手も、ジェイクのベアーハッグにはかなわんようだね、ハハハ。



「よ!お疲れちゃん!」

「あ、ありがとう!タクヤおじちゃん!」

「どうだ、こんどギター、録音してみないか?」

「え?レコーディング…ってこと?」

「おうよ。そんなにすっげぇギターを、世の中のみんなに聴かせてやらないのは、もったいないだろ?」

「え…、で、でも…ぼくね…人の前で弾いて、みんなの顔がニコニコしてくれるのを観るのが好きなの。それに…。」

「ま、またゆっくり落ち着いて、ママとも相談して決めればいいさ。シュウとの約束だからな、オレがキッチリバックアップしてやるから安心してな。じゃな。」

「は、はい。帰っちゃうの?」

「おう。こう見えても忙しいんだぜ。一応社長やってんだからな。あさってあたり、連絡するってミユキさんに言っといてくれ。最高だったぜショーン!」



おいおいタクヤよ。オレお前に頼んだっけか?

…レコーディングね…オレもなんか残してればよかったかもな〜。

いかんいかん。ショーンはまだ小学生ですよ。売れちゃったらどうするのよ?
売れちゃったら…売れ…たら、未雪も楽になるのかな…。




「それでは今日のライブと、未来のスーパーギタリスト、ショーンに。」

「あ、あと、ぼ、ぼくのパパにも…いい…かな?」

「オッケー!じゃ、今日の出会いと、未来の出会いと、ミッキー、ショーン、アーンド、シュウ!アーンド、エヴィバデ!チア〜ス!カンパ〜イ!!」



ジェイク。

ガキの頃、アンタに会えてホントに良かったよ。

未雪。

これからもショーンを頼んだよ。

ショーン。

言いたいことがありすぎるよ。

ショーン。

愛してるぜ。

ショーン。

ちょっと恥ずかしいセリフだったかな、ポッ。

ショーン。

大切な我が子よ。

ショーン…

…ショー…ン…



ムスタング編、終了。次回はどんなギターで登場するのでしょうか!?んじゃ!
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#1ムスタング11

「さ〜てオマエら!姫の登場だぜ!!!!!」

(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)

「ミッキ〜〜〜〜〜!!ザ・ビグマ〜〜〜〜〜ウス!!!!!」



デタ〜!!!今日はユーリアリー・ガットミーのキンクスとヴァンヘイレンのミックスバージョン!!!Cメロ付きだ〜!

本日の実況は、天国放送局キャスター、シュウがお送りしまっす!!…ってか!



「フ〜ッ!今夜は、ガンガンブチカマスよ!ムーブオーバー!!」

(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)



オオ〜ッと!今度はジャニスにツェッペリンが混じった!!!!!
変拍子の間奏から、な、なんと!弓が登場!バ、バイオリン奏法だ!!!!!



「おいおい、今日はやけに気合い入ってんじゃないのミユキちゃん。」



お、タクヤ?今日はスーツなんか着て、業界っぽいじゃないですか。



「リョウジ、よっく観とけよ。今日はなんか起こるぜ。」

「まった社長、得意のお告げってヤツですか?」

「バカ言ってんじゃねぇよ。会場の空気、読めねぇのか。客のテンションが、地べたから盛り上がってくる感じだよ。」

「え?そうすか?あ、オレ飲み物とってきまっす!」

「ふん、天才高校生でもガキはガキか…。」


♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫


「オッケ〜!!!じゃ、ここでジェイクス最強のギタリストを紹介するぜ!帰ってきたジーニアス・リル・シュウ!カモンッ!ボーイ!!!」

(カワイイ〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(ガンバってね〜〜〜〜〜!!!!!)
(ギター持つの手伝おうか〜〜〜〜?!!!!)


♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫



あら、茶化してたヤツらも黙っちまったじゃないの。

ショーン、なんて奇麗な音出すんだよ…。

…それに、なんて優しいんだ…や、やば。なんか泣けてくる。泣けないけど、オレは…。



♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫



未雪とのデュオに聴こえるよ。



♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫



こんなにハードなサウンドなのに、まるで雲の上で寝そべって笑ってるような感じだ…。

そうか、オレがこんな状態だからよけいに感覚で音が観えてくるんだな〜。



「サンキュ〜!!!ちょいとアタシは休憩!リトル・シュウのオリジナルのインスト聴いてくれ!タイトルは…。」

「えと、か、風のムスタング!」

♩〜♪♩〜♪♩〜♪♩〜♪♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♩〜♪♩〜♪♩〜♪♩〜♪♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫



おいおい、なんなんだこりゃ〜!!!ブルージーな中で、ハードな速いパッセージがあると思ったら、流麗な沖縄音階で、まるで空の上を真っ白な馬が走ってるようじゃないかよ!しかも踊りながら!



「なんだこりゃ〜。ショーンがこれほどだったとは…。なんか起こるどころじゃねぇぞ。こいつはひょっとしたらひょっとするってヤツかもな。」



おいおいタクヤ君。言ってる意味はわかるけど、オマエがその目した時は、あんまり良いこと考えてないんじゃなかったっけ?オレの子で儲けようなんて考えてんじゃないだろうね。



「よし!明日から営業かけるか。」



考えてんのかよ!!!ったく!ヤバいことになったらオレが揺るさんぜ!
…って、どうやればオレが怒ることができるのやら…トホホ。



♩〜♪♩〜♪♩〜♪♩〜♪♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♩〜♪♩〜♪♩〜♪♩〜♪♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫♬♫

「ありがとう!!!!!」

(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(オ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)
(いいぞ〜〜〜〜〜チビ助〜〜〜〜!)
(サイコ〜〜〜〜ギタリスト〜〜〜〜!!!!!)


「どうしたいリョウジ、そんなとこで突っ立っちまって、ハハハ。」

「え?あ、…ま、す、すげぇじゃんガキのくせに。」

「音楽ってのはな、一度音、出しちまったら、年齢や性別、キャリアなんか関係ねぇんだよ。素直に認めねぇと、オマエもタダの高校生に逆戻りだぜ。」

「しゃ、社長…須藤社長。オレも行けるかな〜?あのチビの世界に…。」

「アッタリめぇだろが!オレが拾ったんだぜ、オマエを!」

「あ、ああ…。明日っから、またよろしくな!」

「おう!」



「あの世界か…。ありゃ、誰にも行けねぇよ。シュウよ…すげぇヤツ残していったな。」



で、でしょ!えっへん!!!

あら?なんか、タクヤシリアスなのね。こりゃ、失敬!

ショーン、ずっとガンバレよ!      …あら、夏木さん?




次回、ムスタング編最終回!…かも?んじゃ!
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#1ムスタング10

「ヘイ、ボーイッ!!」

「あっ!ママッ!ジェイクだ!!」



あ、ホントだ。東京に戻ってきたのに、外人に迎えられるのってのは、なんか不思議な感じが…ま、オレが迎えられてるんじゃないけどね、トホホ。



「ハーイ、ジェイク!わざわざ出迎えなんて、気が利くじゃない!」

「おいおい、な〜にを楽しげに言ってんだよ!今日はミッキー“ザ・ビッグマウス”がゲストの日だって言ってたろうが。」

「あら?そうだったかしら?」

「あら、じゃねえよ!ライブの1週間前には帰ってくるって言うから、迎えに来てやったのに、何にも言わずに延長するから、ずっとこのゲートで門番だったじゃねぇか!」

「え?ジェイク…1週間もここで待っててくれたの?…ゴ、ゴメンナサイ…。」

「ハハハ!ジョークに決まってんだろ!相変わらず、優しいなショーンは!」

(ドン!)

「イッタイな〜、ボクだってジョークだよ〜だ!ハハハ!」



おや?ジェイクの張り手で飛ばなかったなショーン??



「しっかしショーンよ。たったの2weeksだったのに、なんか背が伸びたんじゃんぇのか?」

「ん?どうかな?計ってないからわかんないけど、でもね、すっごく楽しかったよ!」

「さあさあ、話しはライブハウスに着いてからよ。はいこれ。」

「お、重っ!このジェイク様をポーター代わりに使うヤツはミッキーだけだぜ。」

「その代わり、本場の美味しい泡盛持ってきたんだから、ねっ!」



ねっ!じゃないでしょが、もう。ジェイクにウインクなんかしても…あら、妬いてんのかね、オレ?



「じゃ、リハに間に合わすために、ぶっ飛ばしてくぜ!オレのマシンはファントムより速いんだ!」

「ね、ジェイク。ファントムって何?」

「え?」

「ジェイクったら…そのセリフはシュウの時代でしょ。ショーンは今時の小学生よ。ハハハ。」

「ま〜たっく。やりにくい時代になっちまったぜぇ。ま、いいや。ショーン、オマエも演奏するか?」

「もちろん!やりたいことがあるんだ!」

「お、やっぱり変わったなボーズ。見た目じゃわからねぇけど、ヒト周り以上大きくなったような気がするぜ。」



さっすが、元ハマの番長。…これも古いか。良いカンしてるね。マジでショーンのヤツは、見た目は小学生だけど、十分普通の大人になら負けない、ギターと手(てぃ〜)を身に付けたもんな。

そっか〜ライブか〜。今日は楽しみだな〜。おっとっと、オレのことを忘れんなよ。せっかくのライブが見られなくなっちまうからな〜。




次回、伝説のギター炸裂!…なんて、新展開まであとわずか!んじゃ!
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#1ムスタングfeat.三線12

「ほれ。重いぞ。」

「うん、ありがとう…。」

「な〜にをメソメソしとるんじゃ〜。」

「なになに、あんた泣いてんの?」

「フンだ!潮風が目にしみただけだい!」

「ハハハ!そりゃ、今帰仁の浜でワシが言ったことじゃないか〜!空港の中は、潮風なんぞ入らんぞ〜!ハハハ!」

「たったの2週間でしたけど、本当にお世話になりました。」



おいおい、2週間も学校サボってたのかよ。

…ん?

…ていうか、2週間て?



「ま、ワシも久しぶりに身の入った稽古もできたし、たくさん笑ったしな〜。こちらこそ、本当にありがとうじゃ。」



そういや、なんか二人とも肌の色が一段と黒くなったような…。

よく見ると、ショーンの腕や足、それにオヤジの腕にもずいぶんとアザができてるんじゃないの?どういうこと?



「ジージ、ぼく強くなったかな?」

「ん〜。ショーンはもともと強い子じゃよ。それにな、強さは、人と比べるもんじゃない。どんなに手(てぃ〜)ができても、ミサイルにはかなわんからな。じゃが、大切な人を守る時には、必殺の力が発揮される。その種は、もうオマエに全部教えた。それに水をヤルかヤランかは、オマエにかかってる。よくぞ、2週間、ワシの稽古に耐えたな。合格じゃ。」

「あ、ありがとうオジ…師匠!」

「ハハハ!よいよい。ワシはあくまでオマエのオジーだっからよ。」

「ありがとうございました。これからは私がしっかり見守っていきます。」

「ミユキさんも大変じゃろうけど、よろしく頼みます。ワシらの流脈を絶やさんように、ウニゲーサビラ(お願いします)。」



ど、どういうことだ?確かに腕のアザからすると、そうとうな稽古をしたように思えるけど…?

オレが一緒に居たのは、せいぜい3日くらいか?だいいち宴会ばっかりだったんじゃなかったっけ?

ん?未雪にもアザが!ま、まさか未雪まで…修行…?



「お、そう言えばミユキさん。今帰仁城跡で転んだ時の傷はどうかの?」

「あは、ようやく痛みは無くなりました。まさか石段にボコボコにされるとは思いませんでしたもんねっ!」



ねっ!じゃねぇよ!あ、そ。そゆこと。確かに未雪にはオレが少しだけ教えたけど、さすが元体操部、センス良かったもんな〜。てか、未雪まで稽古したかと思ったゼイ、フ〜。



「荷物はこれで全部じゃな。三線ワシンなよ。」

「忘れないよ。ちゃんと稽古して、三線も合格点もらうからね!」

「音楽はワシよりオマエの方が上じゃよ。なんせパ〜パの子だからな。」



お、良いこと言うじゃないパ〜パ!



「ま、アイツの音楽は金には縁がなかったけどな、ハハハ!オマエならプロになっても、自分の好きな音楽ができると思うぞ。」



ヤナこと言うじゃないオ・ヤ・ジ!



「ん〜よくわかんない!でもね、たぶんだけど…両方ずっとやってくと思うよ、空手も音楽も。」

「(ボカッ!)手(てぃ〜)じゃ!」

「イッテ〜!両手荷物持ってるのに〜。ずるいぞ〜!」

「ハハハ!体サバキじゃ!何事も修行修行!じゃな。」

「も、もうそのへんで。じゃ、お父さん、また来ますね。」

「おう。近いうちにワシも東京に行こうかな、、、なんてな。」

「あれ?ジージ潮風?」

「おりゃ!」

「よっ!っと、体サバキね!」

「最後まで笑わしよる!ハハハ!気をつけてな。また来るんじゃよ!」

「うん!パパもきっと一緒だよ。なんかね〜、手の稽古してる時は感じない、っていうか、そんな余裕無いからなんだけど、食事したりジージと遊んでる時は、なんだかパパがソバに居るような気がしてたんだ。パパもジージに会いたかったのかな?」

「オマエもか?ワシもなんかそんな気がしてたんじゃが、姿現したら説教してやったのにな〜。」



ぜったいに出ませんよ〜だ!



「はいはい、もうこれくらいで。飛行機の時間に遅れちゃいますから。」

「だよね。乗り遅れたら、また1週間居よう!って言うでしょママは。」

「ワシはその方がいいんじゃがな〜。」



それで、こんなに長く居たのね、トホホ。



「今度こそ本当に、ありがとうございました。帰ります。」

「バイバイ!また来るさ〜ジージ!」

「おう!楽しみに待ってるからな〜!」



く〜、身内ながら良いシーンだこと。

しかし、一つ謎が見えたような…。オレがあいつらと居られるのは、あいつらがオレのことを少しでも考えてる時ってことか…。

手は、集中しないとできないから、その時をオレが見てなかったのは、そんな理由なんかな。確かに、宴会や遊びの組手しか見てないもんな〜。

おいおい、ってことは、あいつらがオレを忘れたら、二度とあいつらに会えなくなるってことか?勘弁してよ〜ショーン!未雪〜!

あ、もう東京だ…。あいつら飛行機で爆睡してたのね、トホホ。



次回、再びジェイクと!んじゃ!
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#1ムスタングfeat.三線11

「修和じ〜!持って来たぞ〜!」

「お!すまんすまん!ま、座って一杯やらんか?!」

「昼間っからもう島酒かよ〜。しょ〜がないから、付き合おうかね〜。」

「こ、こんにちは…。」

「ハイサイ!君か〜、ちびっ子ミュージッシャンは〜?」

「親戚の与那嶺さんじゃ。」

「はじめまして、母親の中村未雪です。」

「アレ!チュラカーギーやっさ〜。修和じ〜、隅に置けんね〜。」

「フラ〜、息子の嫁さんじゃよ!」



チュラカーギーは美人、フラ〜はあほ〜ってことです、念のため。俺は通訳かい、トホホ。



「お〜、それは失敬失敬!ハハハ!それより頼まれてたもの、はいよ。」

「ん。ショーン、これがオマエのお土産だ。受け取りなさい。」

「え?これって、もしかして…。」

「特注品の三線さ〜。この与那嶺さんはな、玉泉洞という観光名所の出口にあるお店で三線を作って売ってるんだがな、お前達、そこまで連れて行く時間が無いから、持ってきてもらったんじゃよ。」

「修和じ〜に頼まれたら、来ないわけにいかないからね〜。東京の気候でも破れないように、蛇の本革に薬をしっかり塗り込んで作ったから、い〜い響きは保証するよ。竿も黒檀のじょ〜と〜なヤツを、会社の同僚には内緒で使ってるからな〜。那覇の店で買ったらとんでもない金額になるさ〜。」

「ぼ、ぼく、そんなお金持ってないよ〜。」

「ハハハ、オジ〜からのプレゼントさ〜。その代わり、ちゃんと練習して、また沖縄に弾きにきなさいよ〜。」

「ハイ!」

「良かったね〜。帰りにどこかで1本買わなきゃって思ってたんですよ。ホントにありがとうございます!。」



ちゃっかり未雪さんでした、ハハ…。



「ま〜、そんなに喜んでくれたら、持ってきた甲斐があるってもんだね〜。おまけで、もし東京で壊れたら、すぐ連絡して、送ってくださいね。永久保証でいつでも修理してあげるからね〜。」

「うん!大事にするよ〜!」

「どれ、少し貸してみなさい。試し弾きじゃ。」

「え?いいの〜?他の人もいるのに?」

「ま〜見とれ。本物のウチナンチュなら、ほれ!」

♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩♩♫♬♩

「あ、みんな動き出した。」

「ハハハ、三線の音色は、ウチナンチュのスイッチさ〜。かってにカラダが動きよるからの〜!ほれほれ!」



おいおい、このオヤジの純粋なヤンチャぶりだけは真似できなかったんだよな〜。

あらあら、どんどん盛り上がってるじゃないの。知らんよ〜。

下からも上がってきてるじゃないの〜。

なるほど〜、踊れてないのは外国の方々ね、理解理解。

ん?その人たちまで、見よう見まねで動き出したぞ!恐るべし三線パワ〜!

あ、唐船(とうしん)ドーイだ。いいのか、そんなに盛り上げて、ハハハ!羨ましい〜!



この後、お店の管理の人に怒られたのは、言うまでもありませんでした、トホホ。


「ショーン、音楽は理屈じゃないからな〜。空手も同じ。心が無ければ、ただの騒音、ただの暴力。人の役に立つ人間になりなさい。オマエにはその才能があるよ。そして、これから先、どんなに辛いことがあっても、命だけは大切にすること。生きてさえいれば、な〜んでもできるさ〜。命どぅ宝(ぬちどぅたから)。命こそ宝じゃからな。」

「あのね〜、オジ〜よ〜。いいこと言ってるんだけど、今はあんたが騒ぎ起こしたことの反省で怒られてるんだからね〜、まったくもう!」

「ごめんなさい!ぼくが代わりに謝ります!」

「ハハハ、もういいさ〜。オジ〜よ〜、いい〜家族だね〜、ハハハ。」

「全くじゃよ〜、ハハハ!」



ハハハ、じゃねえよ!な〜んて大らかな民族だこと〜。

…ショーン、良かったな、ここに来て…。




次回、沖縄編最終回?んじゃ!
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