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 不思議な声の物語 by R::#1ムスタング2

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#1ムスタング2

「ヘイ、ボーイ!良い音出せるじゃねえか!んじゃ、こんなのはどうよ?」


あ、でた…お得意のハーモニックマイナー調のブルースパターン。
ジェイクったら、黒人のくせに、なんでか東洋人に憧れてて、しかもジェイク・E・リーがお気に入りだから自分でもジェイクって名乗るようにしたんだったよな、確か。懐かしきかなヘビメタブーム!


「こんな感じ?」


お?!コピった!ショー君、すごい!

…親バカなエネルギー体です…トホホ


「いいじゃねえか!お前のオヤジは中学でそのフレーズを覚えたんだぜ!お前の勝ちだな!ボーイ!」

「え?そうなの?中学の時のお父さん知ってるの?」

「あ〜。初めてあったのは、アイツがまだガキんときだったな〜。」

「どんな子だったの?」

「なんだ?興味あんのか〜、目輝かせちまって!ハハハ。」


え?中学時代って…や、やめなさい!!


「アイツは覚えたてのブルースにハマりはじめてたときでな。横浜でもこの辺に来れば、なんか外人ぽい連中と友達になれると勘違いしてやって来たんだよ。」

「ジェイクはその時高校生くらい?」

「ハハハ、こう見えてもいいオヤジだぞ!その時はもう、25才くらいだったかな〜」

「え?ずいぶん離れてたんだね、年。」

「あ〜。生意気なガキでな。俺が黒人だからって、いきなりブルースギター弾けますかって聞きやがったんだよ。クレイジーだろ?」


はいはい、そうでした、すんません、へへ。


「普通ならぶっ飛ばすところだけどな。あんまりにも純粋に聞きやがるもんだから、つい、お、おう!弾いてやろうか?っとか言っちまってな。」


だよな〜。ジェイクも今では相撲取りかプロレスラーみたいになってるけど、あの時だって今思えば、190cm以上はあって、腕の筋肉もハンパなかったもんな〜。


「それで、それで!」

「それで、アイツが持ってたエレアコ、安いヤツだったけどな、目の前で弾いてやったんだよ。」

「で、で!」

「そしたら、今のお前と同じ目して、ぼくに教えてください!って言い出してな。」

「ん、ん。」

「バカやろ〜!ブルースはイエローになんか弾けるわきゃねえだろ〜!って、言っちまったんだ。」

「で、お父さんなんて?」

「イエローって何?って聞いてきた。」

「は?」

「ハハハ!な、そんな感じさ。俺も思わず吹き出しちまってな。一緒にいた仲間もいっぺんにアイツのファンになったのよ。アイツは変な空気を持ってやがんだよな〜。」


しょ、しょうがないでしょ!あの時は、目の前で本物のブルースギターってヤツを初めて聴いたんだから。
でも、ホントに本物だったんだよな〜ジェイクは。


「それからは、学校が休みのたんびに、ここへ来るようになってな。」

「へ〜、お父さんは積極的な人だったんだね〜。」

「おいおいボーイ。なに暗くなってんだよ。お前のオヤジはな、学校じゃ浮いちまうから、ここに来てたんだぜ。」

「え?人気者とかじゃないの?」

「全く逆だろうな〜。ある時聞いたんだ。学校じゃバンドとかやらねえのかってな。」

「そしたら?」

「目立つの嫌いなんだ!って言われたよ。」

「…ぼ、ぼくと同じ…」

「おとなしくて、優しくて、でもケンカもけっこう強かったんだぜ!」

「そ、そなの。」

「あ〜、確か空手やってんだったよな〜。そうそう、一度本気で俺にパンチ喰らわせたことがあったよ。さすがに俺もこの街じゃ、イケテル方だったから、ダウンはしなかったけどな。曲がったことがダイッキライだったから、俺のワルさしてるのを聞きつけて、思いっきり殴ってきやがったんだ。…懐かしいな…」


あった、あった、そんなこと。今考えれば、よ〜くジェイクに向かっていったよな〜。


「でもな、それがきっかけで、俺はまともな商売やるようになって、この店を作ったってわけよ。」

「へ〜、なんか年の離れた友情って感じだね!」

「ハハハ!お前ホントに小学生か?大人とばっかり遊んでんじゃねぇゾ!ハハハ!」

「ぼくも、ジェイクと友達になれる?」

「バッカやろう!!!と〜っくにフレンドじゃねえか!いやいや、ブラザーだぜ!イェイ!」


イェイって、、、ま、よろしく頼むわジェイク。あんたなら任せられるしな。

しかし、あれ以上はよせよ、ガキんときの話しは…



次回、まだまだジェイク?んじゃ!
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