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 不思議な声の物語 by R::#1ムスタングfeat.三線8

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#1ムスタングfeat.三線8

「ショーン、今のオマエより少しだけお姉さん達の写真がかけてあるんだよ。」

「え?中学生くらい?みんな戦争で亡くなったの?」

「そうさな〜、戦争と言えば戦争なんじゃがな〜。さっき入り口で見たガマな。あんな洞窟が、いっぱいあってよ。アメリカが進行してきた時に、その穴の中へ隠れたわけさ〜。民間人も日本の兵隊もさ〜。ま、この続きは、出口の方で、実際に戦争体験をしたオバ〜たちのフィルムが上映してるから、それを見た方がよ〜くわかるさ。ただな、オマエのオバ〜、つまりワシの奥さんの友達の写真が何枚か飾られているんだよ。だからここは、ただの資料館じゃなくて、同級生と話す場所。自分の代わりに亡くなっていった人達を想う場所なんじゃな、我々にはな…。」

「お母様が亡くなってから…。」

「そう、10年は経つか。ショーンの生まれる少し前だったかな?」



そうだったよな〜。てことは、連続して身内を亡くしたってことか…。
オヤジ…頑張ったんだろうな〜。ごめんな…。



「まったくよ〜。そしたらすぐに修一が逝きよった!ありゃ、わしの面倒みたくないからに決まってるぞ〜。」

「ですよね〜。自分の面倒もろくに見られなかったんですから、ハハハ。」



ハハハ、っじゃねぇよ!前言撤回!クソオヤジが!



「そ、そうなの…?」



ほ、ほらショーンが寂しい顔してきたじゃないの!!



「じょ、冗談よ!パパは正義の味方だったんだから。」



でしょ、でしょ!頼んますよ、ったく。



「だから、刺されちゃったんだけどね…。」



ボソッと言わない!ショーンに聞こえるだろが!



「ショーンよ。オマエの血に流れてる歴史をよ〜く勉強しなさい。オマエが将来、大きくなったとき、自分の役割がわかるようになるからな。」

「うん!なんか、ここの展示されてるモノも、オジーと同じことを言ってるように感じるんだけど、変かな〜?」

「お、聞こえるか。オマエは感性が抜群だな!帰ったら、今の気持ちを唄にしてごらん。」

「でも、ぼくまだ歌はあんまり自信ないんだけど…。」

「おいおい。唄というのはな、テレビ歌手が歌うような歌じゃないぞ。三線のメロディも唄。波のざわめきも唄。風のささやきも唄。花の美しさも唄じゃよ。オマエの心に感じる物を、人に伝えようとした時、それがオマエの唄になるんじゃ。覚えときなさい。」

「はい!わかったよ!」

「お父さんも島唄、唄われるんでしたよね?」

「あ〜、少しだけな。一応免状はもってるけどな。」



え!?そなの?東京じゃ、三線なんか弾ける場所も無かったから、小さい頃に聴いた子守唄くらいしかオヤジの唄なんて聴いた事無かったんだけどな〜。



「そ〜なんですか。シュウは、いっつも島唄習いたかったのにって言ってたんですよ。」

「そうなのか?ワシは、ロックばっかりやってるから、てっきり島唄には興味無いんだと思って、触れないことにしてたんじゃよ。しまったな〜。」



あのね〜。



「償いじゃないが、ショーンには、空手も島唄も三線も、あと…。」

「お酒はまだですよ!」

「あら、ばれたか、ハハハ!ま、いつでも教えてやるから暇ができたら遊びに来るさ〜。」

「うん!」

「よし!じゃ、そろそろ上映時間だから、これを観てから、食事にしよう。公設市場がいいね〜。」

「そうですね。お父さん…ありがとうね〜。」

「お!ウチナ〜のイントネーション!よいよい!ハハハ!」

「お客様、お静かにお願いします。」

「す、すいません、トホホ。」

「ジージ、怒られてんの。」

(ボカッ!)

「って〜。後ろからなんてずるいよ〜!」

「敵は前だけにいるとは限らん!」

「まぁまぁ、その辺で…あたしもトホホ。」



じゃ、オイラも、トホホ。


次回、も沖縄ですね〜、トホホ。んじゃ!
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